はじめに
前回の記事では、
「工賃アップに向けて、サビ管として最初に考えたこと」を整理しました。
今回はその続きとして、
EC(物販)に関わる作業を、どうやって“作業”として切り分け、工賃につなげようとしたのか
現場での考え方をまとめます。
いきなり結論から言うと、
EC作業を“そのまま任せる”とうまくいきません。
ポイントは
👉 「売る仕事」ではなく「工程ごとの作業」に分解すること
でした。
なぜEC作業は「作業」として成立しにくいのか
ECや物販という言葉には、こんなイメージがあります。
- 難しそう
- ミスが許されない
- 売上が出ないと意味がない
実際、現場でも次のような声が出やすいです。
- 「利用者さんに任せるのは不安」
- 「失敗したらどうするの?」
- 「チェックが増えて大変そう」
この時点で、
EC=特別で高度な仕事
という認識になってしまうと、作業化はほぼ失敗します。
EC作業は「まとめて考えない」が正解
私が最初にやったのは、
ECを1つの作業として考えるのをやめることでした。
ECの裏側には、実は細かい工程がたくさんあります。
例えば、
- 商品を確認する
- 汚れや破損をチェックする
- 梱包資材を準備する
- 商品を箱に入れる
- テープを貼る
- ラベルを貼る
これらは、
すでにB型事業所で行われている作業と、ほとんど変わりません。
「できる工程」だけを切り出す
重要なのは、
最初から全部を任せようとしないことです。
私は次のように考えました。
- 判断が必要な工程 → 職員
- 手順が決まっている工程 → 利用者
たとえば、
- 出品判断・価格設定 → 職員
- 検品、梱包、ラベル貼り → 利用者
この切り分けだけで、
現場の空気はかなり変わります。
工賃を発生させるために意識したこと
EC作業を工賃につなげるために、
特に意識した点が3つあります。
① 売上=工賃に直結させない
「売れなかったら工賃が出ない」
この仕組みは、利用者の不安を強めます。
あくまで
作業を行ったことに対して工賃が発生する
という考え方を崩しませんでした。
当初は、検品、撮影、入力、梱包と一手に担っていたところ撮影のみの作業に切り替えたことで、不安発作がある利用者が単純作業に変化したことで、不安発作が起きづらくなり作業時間が伸び、月の工賃で目標2万円のところ3万3千円の工賃を稼ぐ利用者も出てきました。
② 完璧を求めない
ECはミスが目立ちやすい分野です。
- 梱包が少しズレる
- テープが曲がる
それでも
**致命的でないミスは“許容する設計”**にしました。
③ 「できた感」を大事にする
- 今日これだけ進んだ
- ここまでできた
作業結果が目に見えるようにすると、
利用者の表情が変わります。
職員側の不安とどう向き合ったか
EC導入で一番大きかったのは、
職員の不安でした。
- 責任は誰が取るのか
- クレームが来たらどうするのか
ここで大切だったのは、
「失敗しない方法」を探すのではなく、
「失敗しても現場が壊れない範囲」を決めることでした。
- 小ロット
- 低価格商品
- やり直し可能な工程
この条件を守るだけで、
職員の心理的ハードルはかなり下がります。
小さく始めると、うまくいきやすい
最初から工賃アップを狙わなくていい。
最初は、
- 1工程だけ
- 数人だけ
- 短時間だけ
それでも十分です。
「EC作業が“特別ではなくなる”こと」
これが、工賃アップへの第一歩でした。
次の記事では
もちろん、
それでもミスやトラブルは起きます。
次の記事では、
どうしてもミスやトラブルが続いてしまったとき、サビ管としてどう考え、どう対応したか
正直に書いていきます。
👉
「向いていない」で終わらせなかった理由
一度やめるという選択
についても触れる予定です。
まとめ
EC作業は、
特別なスキルが必要な仕事ではありません。
- 分解する
- 切り分ける
- 小さく始める
この3つを意識するだけで、
**工賃につながる“現実的な作業”**になります。
次に読んでほしい記事
この記事を読んだ方は、こちらも参考になります。
▶ 工賃アップに向けて|サビ管の私が最初に考えたこと
▶ EC作業を作業として切り分け、工賃を発生させる方法
▶ ミスやトラブルが続く場合の対処|現場を守る判断軸
現場で悩み続けるより、
一つずつ仕組みに落とし込むことが、工賃アップへの近道です。

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